お知らせ

2019.07.01

ZEH 講習会

  先日「ZEHのつくり方」という講習会に参加させていただきました。          旭ファイバーグラスさんとYKKさんと福井コンピューターさんが、3社合同で

開催している講習会です。

今更感はあるのですが、、、。改めて「ZEHとは何?」という再確認をするために

受講してきました。

この記事をご覧いただいている、建築業界に従事されていない方のほうがTVやNETで

見聞きして詳しいかもしれませんが、私の備忘録としても今一度ZEHについて少しだけ

まとめてみたいと思います.   

                                    

まずZEHとは「Net Zero Energy House」の略語で、

住宅で生活するなかで消費するエネルギーを建物の性能で出来るだけ削減

住宅で生活していく上で最低限消費が不可欠なエネルギー消費量を太陽光発電などの

創エネルギーにより補い、年間での一時エネルギー(天然由来のエネルギー)消費量を

プラスマイナス正味(ネット)で概ねゼロ以下になる住宅というのが

ZEHの定義になっております。

世界中で地球温暖化やエネルギー資源が問題視されている時代に、

日本では政府が主導となり環境対策として進めている取り組みのひとつになります。

 住まいをZEH仕様にすることにより様々なメリットがあります。

建物の断熱性能が向上することにより、冷暖房などのエネルギー消費量が減り 

 光熱費が削減できる。 

気の温度変化に室内温度環境が影響を受けにくい為、各部屋間の室温差が少なくなり、

 住まいの快適性が良くなります。

庭内での死亡事故として割合が高い入浴中の「ヒートショック」の抑制になり、

 結露などが発生しにくいのでアレルギーの原因となるカビやダニなどの

 発生を抑制することもでき、健康維持・増進への影響も大きくなります。

災害時にインフラのライフラインが供給されなくなってしまった際に、

 太陽光発電で自家発電したエネルギーを蓄電池に貯え電力を使用できるので、

 防災への備えとなる。

 (エコキュートも、タンク内の水が非常時に利用できる)

HEMSを導入することにより、家庭内で使用する電気機器全てを「見える化」し、

 一括管理出来て自動制御が行えるので、無駄なく電気を使用できる。

政府が推し進めている政策のため、国の支援事業として各種補助金制度の

 受給が受けられる。

地球環境に優しい・建物の資産価値が高くなるetc                    

 ZEH仕様にすることで上記のようなたくさんのメリットもありますが、

もちろんデメリットも存在します。

断熱性能の向上、省エネ性能の高い最新設備機器の導入・創エネ設備機器の設置

 などによる、建築コストの増加。

開放的な間取りや大開口サッシの設置などは不向きとなるため、建物デザインの

 制約が生じる。

一般住宅に比べると、各種設備機器の保守点検・故障などに伴うメンテナンス費用

 などが増加する。

太陽光発電の自家発電エネルギーを、売電して収入を得るFIT(再生可能エネルギー固定価格買取制度)の売電価格下落による、イニシャルコスト回収の難しさ。

このように、住宅のZEH化には様々なメリットデメリットありますが、

地球規模で考えますと因果応報避けては通れない事象ではあります。

それでも太陽光発電や高効率設備機器、過剰な機能が備わった家電品などで住環境を制御する機械仕掛けの家」には、何だか抵抗を覚えます、、、。

ZEHについて私自身共感が持てる部分として、建築の持つ「造り方」としての機能や性能の

向上を目指すパッシブデザインついての考え方は、今後の住まい造りにも生かしていきたいと思います。

2020年には、小規模住宅にも省エネ基準制度の義務化が囁かれていましたが、

現状では適合義務化が見送りとなり、代わりに「実務者・設計者による住まい手に対する

説明責任」が義務付になる見通しとなっています。

現在の住宅産業を取り巻く現状には環境負荷・職人不足・物価の高騰・少子高齢化による

世帯数の減少・住宅ストックなどなど問題は山積ですが、世の中の業界の流れは

きちんと把握し続けて、取り入れるべき事は取り入れ、これからも通り一辺ではない、

気持ちがワクワクするような楽しい住まい造りのお手伝いを続けていきたいなと

改めて感じました。


松葉

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